忍者ブログ
自分の身を守るための個人的メモ
[14] [13] [12] [11] [10] [9] [8] [7] [6] [5] [4]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ウイルスというのは遺伝子解析が非常に容易で、配列を決めてパソコンに系統樹を書かせればすぐ、どのウイルスとどのウイルスが近縁とかわかってしまう。

東京都衛生研究所の報告では

今回の調査によって,都内で流行している主な麻疹ウイルスは、日本固有のD5型から、これまで中国及び韓国で流行していたH1型に変化していたことが明らかとなった。

ということで、これは2002年度の話。この2001年から2002年にかけてが、日本で流行する麻疹ウイルスが、中国韓国型(H1)に変わった重大な転機だったことがわかる。

愛媛県立衛生研究所の報告

今年の分離株は4株すべて、 遺伝子型H1型の代表株MVi/Hunan.CHN/93/7と同一のクラスターに属したことから、 H1型であることが明らかとなった。また、4株の塩基配列の相同性は100%一致していた。一方、 2001年分離株はすべてD5型で、 国内で流行している株であった

と、これも2001年度と2002年度の比較。同報告書では、

H1型麻疹ウイルスは、 2001年に東京都と川崎市で(IASR Vol.22、 No.11参照)、 2002年に大阪市で(IASRVol.23、 No.11参照)、 散発麻疹から分離されており、 また2002年3月には北茨城市の中学校における集団発生も報告されている。今回の愛媛県における成人麻疹からのH1型の分離は、 国内で初めての事例である

と、2001年ごろから、全国で中国韓国型(H1)麻疹ウイルスがアウトブレイクし始めたことが報告されている。2003年には千葉で報告。
岩手でも2003年に報告

などなど、日本の麻疹ウイルスは、日本在来種のD5やD3といった型から、中国韓国で流行しているH1という型に、完全に置き換わったようである。日本で使われている麻疹ワクチンやMMRワクチンはH1型にも有効だろうとされているが、近年の成人麻疹の流行をみると、本当にH1に有効かどうか、検討が必要だろう。

おそらく日本に中国韓国型(H1)ウイルスが持ち込まれたのは2001年。21世紀の幕開けは、成人麻疹という、なんとも気が重い流行の幕開けでもあったのだ。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
Shinonome
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析